研究者 台湾

リー・ユーリン(李玉玲) Lee Yulin

2001年度 招へい

1963年、台北に生まれる。1986年、国立台湾大学外国語学部を卒業。1992年、上智大学比較文化研究所アジア文化学科で文学修士号を取得。1993~2000年、台北市立美術館に勤務。2001年からニューヨーク大学に在学。


[招へい] 2001年5月14日〜2001年8月14日

交流活動

「第2回福岡トリエンナーレ」の日本の作家選考に携わり、地元だけでなく関東、関西へ出かけ、作家たちと面談したり、美術館、ギャラリーを訪れ、精力的に調査をおこなった。また、レジデンス終了後、再度福岡を訪れ、レジデンスの成果としてシンポジウムを開催した。

活動スケジュール

5月14日 
福岡に到着
5月19日 
あじびホールでボランティア・スタッフに滞在中の活動予定を説明。担当ボランティア・スタッフが決まる。
5月21日 
後小路学芸課長がアジア美術館の概要等を講義する。
5月25日~28日 
中部、関西方面へ調査旅行に出かける。豊田市美術館、アートスペース虹、ヴォイス・ギャラリーなどを訪問。
6月12日 
福岡市美術館を訪問。
6月16日 
ボランティア・スタッフとともに太宰府、二日市に出かける。
6月19日 
九州芸術工科大学を訪問する。
6月21日 
博多小学校を訪問、新しい施設を見学する。
7月1日~6日 
東京方面に調査旅行に出かける。東京都現代美術館、横浜美術館、ワタリウム美術館などを訪問。
7月12日 
美術作家の宮川敬一氏に会うため北九州市のギャラリーSOAPを訪問。
7月19日、20日 
「第2回福岡トリエンナーレ」作家選考協議会に出席。
7月21日、28日 
あじびホールで「李玉玲(リー・ユーリン)先生の台湾美術講座」を開講。
8月2日
陶芸家の松尾伊知郎氏に会いに鳥栖市のスタジオを訪問。
8月4日 
熊本に建築物の調査に出かける。
8月15日 
福岡を離れる。

李玉玲(リーユーリン)先生の台湾美術講座

日時/7月21日(土)、28日(土) (計2回)
   毎回午後2時から
会場/あじびホール

1回目 台湾近現代美術の成立    7月21日(土)
台湾における近現代美術の黎明は、日本占領下の19世紀末から始まった近代化・西洋化と無関係ではなかった。20世紀初頭、日本人の美術教師、石川欽一郎の指導によって、台湾近代美術の基礎を築いた台湾の美術家たちを紹介し、さらに1945年までの日本占領時代に活躍した美術家たちの作品を通して、外来文化の衝撃のもとでの台湾における自らのアイデンティティーの誕生までを概説した。

2回目 台湾現代美術の開花     7月28日(土)
まず、前回話せなかった戦後の国民党政府による文化政策のもと、台湾に渡った大陸の美術家たち、台湾で教育を受けた美術家たちの作品を紹介した。
そして、1980年代から90年代前半にかけて、急激な経済成長と民主化の動きの中で、様々なタブーに挑戦していく勇気とダイナミズムに満ちた美術家たち、インスタレーション、パフォーマンス、そして映像作品といった新しい領域で制作する美術家たちを紹介し、自らのアイデンティティーの確立に向かう台湾の現代美術の動向を概説した。