招へい メキシコ

ブルーノ・ルイス Bruno Ruiz

2024年度 招へい

1990年メキシコ生まれ、メキシコシティ在住
2024年 個展「SAM滞在制作発表」(シンガポール美術館、シンガポール)
2023年 (RRDコレクティブとして参加、「RedEx Express」出品)「Copy Machine Manifestos: Artist Who Make Zines」(ブルックリン美術館、アメリカ合衆国)
2023年 (RRDコレクティブとして参加、「Micromuseo RRD」出品)「Eso es la vida/This is life: Graphic Design from Mexico」(パームスプリングス美術館、アメリカ合衆国)


[招へい] 2024年10月5日〜2024年12月25日
ブルーノ・ルイス公式インスタグラム
RRD Collective 公式ウェブサイト

これまでの活動と、福岡での予定について

 ルイスのプロジェクトには異なる要素が共存し、それらが流動的に影響しあっている。そのひとつが「Red de Reproducción y Distribución (RRD)」との集団的な実践で、そこでは出版が公共性を高めるツールとして考えられている。ルイスは、情報の拡散のみならず、協同作業を可能にする出版活動の最適な道具として、ガリ版印刷を用いるつもりである。

福岡では、そうした観点から独立系出版に着目したプロジェクトを展開する予定。とくに関心を寄せているのは、郵便を通じてアーティストたちが小作品を送り合うメール・アートである。ルイスによれば、フルクサスとの関わり、そしてアーティスト・ユニオン(Art Unidentified)の嶋本昭三のもと展開した具体美術協会の貢献なくしてその歴史は語れないという。

「Quinametzin」(彫刻)2022年 撮影:Bruno Ruiz
「RRD Uptempo」(彫刻)2024年 撮影:Bruno Ruiz
「Mimeograph」2023年 印刷作業風景 撮影:Bruno Ruiz
「Mimeograph」2023年 印刷作業風景 撮影:Bruno Ruiz
「SAMレジデンス成果展」2024年 シンガポール美術館 撮影:Bruno Ruiz
「SAMレジデンス成果展」2024年 シンガポール美術館 撮影:Bruno Ruiz
「SAMレジデンス成果展」2024年 シンガポール美術館 撮影:Bruno Ruiz

交流日記

12月14日 オープニングパーティー”RRD×YATAI BAR TAIYA”
(Artist Cafe Fukuoka)

2022年度レジデンス・アーティストの下寺孝典氏とコラボレーションして、タコスやポンチェなどメキシコメニューを提供した。様々な人たちが交流する賑やかな空間に作り上げた。

12月14日 オープニング・トーク(Artist Cafe Fukuoka)

ガリ版の歴史、滋賀県や岐阜県でのリサーチ、スタジオの作品ひとつひとつについて説明を行った。ワークショップでは様々な人と表現や主張をガリ版で作り上げていくことを大事にしていると語った。

12月13日 展示準備

オープニングパーティーの屋台に取り付けるサインやカーテンにドローイングを行った。

12月11日 展示準備

ワークショップ「ガリ版おたくの会」の作品額装や冊子と映像作品の準備を行った。

12月7日 川辺ナホ氏スタジオ訪問

2023年度第Ⅲ期レジデンスアーティストの川辺ナホ氏がスタジオを訪問。ガリ版リサーチの話や制作中の作品について説明を行った。

12月3日 ドクペルースタジオ訪問

2022年度第Ⅲ期レジデンスアーティストのドクペルーがスタジオを訪問。制作中の作品を見学し、交流を深めた。

11月29日 「ガリ版おたくの会」ワークショップを開催
(Artist Cafe Fukuoka)

「後藤ガリ版印刷所」後藤早智子氏とブルーノからガリ版の歴史などのレクチャーがあり、その後、参加者は版を制作し印刷に進んだ。「ガリ番地」の松見真之介氏もサポートに入り、小さな子どもから留学生まで多様な人が参加したワークショップとなった。

11月19日 ガリ版研究者神崎智子氏とオンライン対面

ガリ版研究者の神崎智子氏とオンラインで面会した。メキシコでの活動やアジア各地で目にしてきた謄写版の活動、滞在中の日本のリサーチで学んだことや現在考えていることなどを説明した。神崎氏からは、彼の考えに対する見解や日本でのガリ版の歴史や技術などの話を伺うことができた。

11月15日 作品制作

成果展に向けてガリ版関係者とコラボレーションする作品の制作を始めた。
福岡を中心に活動するガリ版コレクティブ「ガリ番地」と一緒にスタジオで作品を制作。
ガリ番地が漢字でカリグラフィーを描き、作家は同様にスペイン語と英語で描き、それらを重ね合わせて1つの版をつくっていった。

11月9日 ガリ版伝承館を訪問
(滋賀県東近江市)

謄写版の発明者である堀井新治郎父子の歴史、開発の過程、当時の社会の動きなどの資料を見ながら館内を見学。事務局長の田中氏よりお話を伺い、また新ガリ版ネットワーク副代表の岡田氏より、立体製版の技術を実演とともに教えていただいた。

11月8日 ダイトー謄写技術資料館を訪問(岐阜県岐阜市)

大東加工(株)取締役会長の神山氏と広報担当の川村氏に館内をご案内していただき、謄写技術の歴史や発展の背景に日本の和紙の技術が関係していること、また時代と共に変遷した謄写版の技術や機器を実演含めてご説明していただいた。

11月5日 ワークショップ「『ガリガリ』のイメージを作品にしよう!」
(福岡アジア美術館)

名島小学校児童にプロジェクターでメキシコシティについて説明した後、児童たちがガリガリをイメージして描いた絵をガリ版で実際に刷るワークショップを行った。ガリ版刷りを待っている間、色台紙を使った冊子も制作した。

10月27日 ガリ版ワークショップに参加

久留米市にある後藤ガリ版印刷所に訪問しガリ版ワークショップを体験した。初めて体験する日本のガリ版の技法や使用している紙やインク1つ1つに質問をした。その後、九州芸文館で「月岡芳年展」を鑑賞した。

10月25日 福岡アートツアー

まず最初に九州産業大学芸術学部、九州産業大学造形短期大学部を訪問。学内の設備やスタジオの様子を見学。南聡教授とお会いして、興味を持っている日本画の顔料などの素材について教えていただいた。九州産業大学美術館では「牛島智子 ホクソ笑む 葉緑素」を鑑賞した。その後、art space tetraで「点点刺繍絵展『philosophie』」、アートスペース貘で「酒井忠臣展」、ギャラリーEUREKAで「和田千秋展」を鑑賞した。

10月22日 筑後地方をリサーチ

藍染絣工房山村健、工房大木で染織をリサーチした後、旧上庄小学校レジデンスを訪問し、滞在中のアーティスト母里大徳氏から焼き絵の手法や道具を学んだ。最後に木工家の関内潔氏のアトリエを訪問し、制作を検討中のガリ版作品について遅くまで相談した。

10月20日 ガリ版を勉強

福岡県を中心に活動中のガリ版コレクティブ「ガリ番地」の松見真之介氏に指導を受け、木材をカットしてそこにガリ版で印刷出来るか実験をした。

10月14日 キックオフ・トーク
(Artist Cafe Fukuokaコミュニティスペース)

出身地で活動拠点であるメキシコシティについて看板などの視覚文化が発展していること、大学の同級生とキヨスクを購入しRRDコレクティブとして活動していることなどを語った。アジア各国でのレジデンスでは看板やバナーを使ったインスタレーション、ガリ版印刷を用いた出版物の過去作品を紹介した。福岡では出版物の制作、ガリ版ワークショップなどを行うことを語った。

10月8日 Artist Cafe Fukuoka入り

Artist Cafe Fukuokaであじびの学芸員とコーディネーターを交えたガイダンスを行い、その後施設内を見学した。