イェ・ミャッ・アウン Ye Myat Aung
1967年、ミャンマー、ヤンゴンに生まれる。1994年、マンダレー大学を卒業。1997年からマンダレー文化博物館館長補佐。
[招へい] 2002年6月4日〜2002年9月3日
滞在期間
イェ・ミャッ・アウンは、持参した39点の絵画作品で「美しきミャンマー展」を開催し、自国の美術を紹介した。同展の準備を通して日本における展覧会の開催方法を学び、さらに美術館運営や現代美術についての調査・研究も行った。また、同時期に滞在した美術作家のワークショップにも積極的に参加することで、市民と交流をはかった。
活動スケジュール
6月4日
福岡に到着。早速、滞在中の活動について協議。手持ちで持参したミャンマーの作家たちの作品展をおこなうことに。
6月8日
ボランティア・スタッフとのミーティング。滞在中の活動を説明する。
6月18日
タシ・ペンジョールとリンチェン・ワンギェルの筑紫女学園大学の授業に同行する。終了後、太宰府を散策。
6月22日
スーン・ヴァナラのワークショップに参加、百道浜の海岸で凧を揚げる。
6月26日
「美しきミャンマー展」、出品作品の調書取り。
7月1日
「美しきミャンマー展」、出品作品の写真撮影。
7月7日
大分へ行く。
7月20日
3号倉庫(市内にあるギャラリー兼スタジオ)、福岡県立美術館を訪問。
7月21日
福岡県立美術館で川波千鶴学芸員に福岡の現代美術についてヒアリング。
7月27日・8月3日
あじびホールで「イェさんのミャンマー美術講座」を開講。
7月15日
早朝、博多祇園山笠追山を見物。
8月14日
福岡市美術館で「カンディンスキー」展を鑑賞する。
8月20日
「美しきミャンマー展」、出品作品の額入れ。
8月30日
「美しきミャンマー展」の展示作業。
8月 31日
「美しきミャンマー展」オープン。ギャラリー・トークをおこなう。(61人参加)
9月1日
スーン・ヴァナラの「タコカップ2002」選手権に参加。
9月2日
広島市現代美術館、ひろしま美術館、平和記念資料館を訪問する。
9月3日
帰国。
イェさんのミャンマー美術講座 ―ミャンマー美術の歴史―
日時/7月27日(土)、8月3日(土)(計2回)
毎回午後2時から
会場/あじびホール
1回目 伝統的なミャンマー美術 7月27日(土)
ミャンマーには新石器時代に洞窟で生活していた人々が描いたたくさんの壁画が残っている。11世紀のパガン王朝時代に、美術がインドから伝わり、寺院や洞窟などに絵が描かれ、その後のビンヤ王朝、アバ王朝、コンバウン王朝時代にまで受け継がれた。当時の社会習慣や風習、娯楽や服装の様式などを描いた伝統的な絵画をスライドで紹介した。
(62人参加)
2回目 現代のミャンマー美術 8月3日(土)
ミャンマーに西洋絵画がもたらされたのは、19世紀末にコンバウン王朝が崩壊し、イギリスの統治が始まってからのことである。20世紀に入って、バ・ニャン、バ・ゾウ、ンイ・ガイといった先駆的な画家たちがあらわれ、彼らの指導のもとに多くの画家たちが輩出され、新しい様式の絵画も生まれた。今日までの多様なミャンマーの絵画について概説した。
(40人参加)
美しきミャンマー展
会 期/8月31日(土)~9月16日(月)
会 場/交流ギャラリー
主 催/福岡アジア美術館
企 画/イェ・ミャッ・アウン
観覧者数/1,655人
イェ・ミャッ・アウンは、ミャンマーの現代美術を紹介するため、マンダレーに在住する6人の現代美術作家の油彩画や水彩画など39点を持参し、「美しきミャンマー展」を企画、開催した。ミャンマーの自然やお寺などを描いた風景画、美しいミャンマーの女性たちを描いた人物画、ひもや砂などの材料を用いた抽象画などで構成され、今日のミャンマーの多様な美術動向を知ることができた。