美術作家 シンガポール

タン・ダウ Tang Da Wu

1999年度 招へい

1943年、 シンガポール生まれ。 1970年に英国に留学し、 バーミンガム工芸美術学校、 セント・マーティン美術学校 で彫刻を学ぶ。 1985年、ロンドン大学ゴールドスミス・カ レッジの修士課程を終了。 1988年、シンガポールに帰国し、 北部の村に芸術共同体 「アーティスツ・ヴィレッジ」を設立。 若いアーティストたちとともに展覧会やパフォーマンスを おこなう。 以後、シンガポールのみならず東南アジアの現 代美術をリードし、中国系シンガポール人としての自己の アイデンティティーを模索しながら、 観客に参加を促すパ フォーマンスや日用品を使ったインスタレーションで環境 や社会の問題を提起し続ける。


[招へい] 1999年9月18日〜2000年4月1日

交流活動

タン・ダウは、常に観客を巻き込み、ともに考えることを促すようなパフォーマンスやワークショップをおこなってきたが、当館の ジデンス事業においてもスタジオを開放し、いつでもだれでも参加できる「マイ・ライフ」プロジェクトを実施した。 これは、参加者が ディスカッション形式のワークショップを繰り返しながら自己や他者を見つめ直すというものだった。 その過程で参加者自身がスナ ップ写真や自作のピンホールカメラを使っての写真を表現手段として用い、最終的には2人1組になって1m×3mの紙にお互いの歴 史や今の在りようを描いていった。 ダウ自身も参加者のひとりとして同様の作品を制作した。
また、ダウは多くの地域の人々と親好を深め、市内のアート・スペースを使って福岡で知り合った友人や福岡アジア美術館のボラ ンティア・スタッフの協力を得て、パフォーマンスを2回おこなった。 福岡アジア美術館でもパフォーマンスを2回おこない、それらは 友情や人間関係について観衆の心に問いかけながら自分自身への疑問や不安、孤独を力強く表現するものだった。

活動スケジュール

9月18日
「第10回福岡アジア文化賞式のため福岡に到着。受賞記念の催しに参加し、28日から福岡アジア美術館のレジ デンスプログラムに参加する。 あじびホールでボランティア スタッフに滞在中の活動予定を説明。担当ボランティア・スタッフが決まる。
9月23日
交流スタジオで福岡アジア文化賞委員会主催のワークショップ「親子で体験するタンダウの世界~バナナの心、人の心〜」を開催。
9月25日
博多リバレイン5階アトリウムガーデンで福岡アジア文化賞 芸術文化賞受賞を記念してパフォーマンス「バナナの心、人の心」、彫刻ラウンジでトーク「疾走するアジアの現代美 術 『きみはタン・ダウを見たか』」をおこなう。
9月28日
レジデンスプログラム開始
10月13日
交流ギャラリーで九州フラワーデザイン専門学校の学生にトークをおこなう。 (10人参加)
17日
田川市の「いた恋まつり」に参加し、ワークショップ「人の心。 木の心」をおこなう。
10月21日
(株) はせがわの招きで仏壇の製作所、神社仏閣の仏具修復 工房を見学。
10月27日
(株) はせがわの社員向けに講演する。
10月30日
交流スタジオで「マイ・ライフ」プロジェクトのワークショップを開催。(40人参加 )
11月 6日
交流スタジオで 「マイ・ライフ」 プロジェクトのワークショッ プ2を開催。 (35人参加)
11月12日
エンジョイスペース大名でパフォーマンス 「itについて考 える」をおこなう。 (100人参加)
11月13日
交流スタジオで 「マイ・ライフ」 プロジェクトのワークショップ3を開催。 (30人参加)
11月20日
交流スタジオで「マイ・ライフ」プロジェクトのワークショップ4を開催し、その後、交流ギャラリーでパフォーマンス「そし てズボンが残った」 をおこなう。 (120人参加)
12月 4日
交流ギャラリーでパフォーマンス 「家」をおこなう。 (150人参加)
12月9日
京都の龍谷大学で講演する。
12月11日
交流スタジオで 「マイ・ライフ」プロジェクトのワークシ ョップを開催。 (20人参加)
1月22日
交流スタジオで「マイ・ライフ」プロジェクトの ワークショップを開催。 (20人参加 )
2月 5日
交流スタジオで「マイ・ライフ」プロジェクトのワークショップ7を開催。(20人参加)
2月11日
交流スタジオでアーティスト・トーク 「コタツでトークー 福岡・アート・アジア~ 「交流」 ってなんだ〜」 (コタツでト ーク実行委員会主催) を開催。
2月29日
エンジョイスペース大名でパフォーマンス 「itのために戻ってきた」をおこなう。(100人参加)
3月11日
交流ギャラリーで 「第1回アーティスト・イン・レジデンス
の成果展」が始まる。 あじびホールで開催記念のアーティスト・トークをおこなう。 (92人参加)
3月12日
あじびホールでパフォーマンス「ゴースト」をおこなう。 (130人参加)
3月27日
レジデンスプログラム終了。
4月 1日
帰国。