研究者 シンガポール

コウ・グワンハウ Koh Nguang How

1999年度 招へい

1963年、 シンガポール生まれ。 1985年から92年までシ ンガポール国立博物館に勤務。 その間にシンガポールの 美術史に興味を持つようになり、社会的なテーマを持つ作 品や作家についての調査・研究を続ける。 特に1930年から50年代にかけて盛んだった版画や、タン・ダウによって 設立され自らも代表を務めたアーティスツ・ヴィレッジの 活動そしてシンガポール及び周辺地域の現代美術などに 精通している。 また研究者であると同時に美術作家としても活動している。


[招へい] 1999年9月10日〜2000年4月23日

交流活動

コウ・グワンハウは以前より福岡アジア美術館のいくつかの事業に関わっており、スタッフとも顔見知りで、 すぐに美術館の雰囲気 に溶け込んだ。来日早々タン・ダウの福岡アジア文化賞受賞を記念した 「タン・ダウの軌跡」展のため、リーフレットの執筆、写真資料 の提供など様々な面で協力し重要な役割を果たした。 4回連続の「コウ先生のシンガポール美術講座」 では、膨大な資料をホールに 持ち込み熱弁を振るった。 そして回が進むにつれその内容は研ぎ澄まされ、シンガポールの近・現代美術だけでなく広くシンガポー ルの歴史までも概観できるものとなった。 また自らの研究テーマである版画については、ボランティアスタッフや一般市民の興味を高め、理解を促すため木版画の実技講座も開催するなどアーティストとしての一面も披露した。 その活発な活動の中でもとりわけ「アジア楽市楽座」の企画・コーディネートには力を注ぎ、連日連夜世界各国に散らばる参加アーティストとの連絡調整に追われた。 その努力の甲斐あって 「アジア楽市楽座」 は盛会裡に終えることが出来た。 本来の活動以外にも招聘者のお世話、中国語の通訳や ボランティア・スタッフとの交流など、 様々な方面でまるで美術館スタッフのように活躍した。

おもな交流事業

9月10日  
福岡に到着。「タン・ダウ」展(福岡アジア文化賞委員会他主催)の開催準備に協力する。
9月18日  
あじびホールでボランティア・スタッフに滞在中の活動予定を説明。担当ボランティア・スタッフが決まる。
10月21日 
(株)はせがわの仏壇制作・修復現場など見学する。
10月25日 
滞在者研究室でボランティア向けの木版画のワークショップをおこなう。
11月4日・11日 
交流スタジオで木版画のワークショップをおこなう。
11月28日・12月4・5・12日 
あじびホールで「コウ先生のシンガポール美術講座」開催
12月21日 
「福岡アジア美術館開館1周年記念 アジア楽市楽座 アートはいらんね!?」(以下、アジア楽市楽座)の企画・コーディネートのためシンガポールに帰国。
1月13日  
福岡に戻る。
2月27日  
あじびホールで「アジア楽市楽座」のためのボランティア・スタッフ説明会を開催。
3月4日~6日 
博多リバレイン5階アトリウムガーデンなどで「アジア楽市楽座」開催。滞在研究の成果としてシンポジウム「21世紀の美術交流とネットワークを考える」を開催。(90人参加)
3月9日 
招聘期間終了。滞在を延長し調査・研究を続行する。
3月17日~19日  
神奈川県立近代美術館、町田市立国際版画美術館等で版画の調査をおこなう。
3月23日~4月2日 
光州ビエンナーレの調査に韓国へ行く。
4月23日 
帰国。