美術作家 パキスタン

ハーディム・アリー Khadim Ali

2006年度 招へい

パキスタン生まれのアフガニスタンのバーミヤンにルーツをもつハザラ人の細密画家、美術作家。タリバーンの迫害を逃れ、2015年にオーストラリアに移住。イランのテヘラン大学で美術を学んだ後、パキスタン国立芸術大学美術学部で細密画を学ぶ。卒業後、国内を中心に作品を発表し、日本では「現代アジアの作家Ⅲ パキスタンの現代細密画展」(福岡アジア美術館、2004年)で紹介された。「第5回ブリスベーン・アジア太平洋現代美術トリエンナーレ」(クィーンズランド・アート・ギャラリー、2006年)、「ドクメンタ13」(ドイツ、カッセル、2012年)にも参加。2006年度福岡アジア美術館招聘美術作家として3ヵ月間福岡に滞在。


[招へい] 2006年5月9日〜2006年8月7日

市民共同制作

「アフガニスタンの子どもたちを幸せな気持ちにする平和な絵」を描くワークショップを開催し、参加した福岡の小学生213人が描いた絵と、持参したアフガニスタンの子どもたちが描いた絵にもとづいて、8点の細密画シリーズ『誰もいない台所』を制作した。

ワークショップ

5月18日「アフガニスタンの子どもたちを幸せな気持ちにする平和な絵」
アフガニスタンの学校生活などを紹介した後に、現地の子どもたちを幸せな気持ちにする絵を 
思い思いに描いた。
南当仁小学校6年生131人(交流スタジオ)

6月8日「アフガニスタンの子どもたちを幸せな気持ちにする平和な絵」
柏原小学校3年生82人(柏原小学校)

7月26日「額縁をデコレーションしよう」
いろいろな小物をつかって、額縁を飾りつけた。
南福岡特別支援学校高等部の生徒42人(南福岡特別支援学校)

講演会(あじび美術講座)

7月15日「アフガニスタンのイスラム美術」
ティムール朝からアフガン侵攻、タリバン支配に至るアフガニスタンの美術と宗教と政治について
語った。
応募者76人(あじびホール)

トーク

7月5日「現代文化論」
九州大学大学院人文学府「現代文化論」の授業で、自身の作品やアフガニスタンの現状などにつ
いて語った。

8月5日「アーティスト・トーク」
「第7回アーティスト・イン・レジデンスの成果展パート1」の開会式後、福岡で制作した細密画シ
リーズ『誰もいない台所』について語った。
一般参加者80人(交流ギャラリー)

展覧会

8月5日~20日「第7回アーティスト・イン・レジデンスの成果展パート1」
滞在制作した細密画8点とワークショップで子どもたちが描いた作品を交流ギャラリーで展示した。

「アフガニスタンの子どもたちに見せたい平和な絵」展
福岡の小学生が描いた213枚の絵を持ち帰り、翌年9月にアフガニスタンで展示した。