レジデンス成果展示

第21回 アーティスト・イン・レジデンスの成果展
都市の現象学―いったい何が私たちの未来をこれほど不確かで、魅力あるものにしているのか?

期間
2024年2月23日 (金) 〜 2024年3月3日 (日)
会場

※休館日/開場時間は会場によって異なります
▼Artist Cafe Fukuokaギャラリー、グランド・スタジオ(中央区城内2-5)
11:00-17:00 ※2/26(月)休館
▼福岡アジア美術館 交流ギャラリー(8階)(博多区下川端町3-1)
9:30-18:00(金曜・土曜は20:00まで)※2/28(水)休館

2023年度の福岡アジア美術館アーティスト・イン・レジデンス(第3期)には、メイタオ・チュ(ロンドン/深圳)、川辺ナホ(ハンブルク/東京/福岡)、花田智浩(福岡)が参加しました。アーティストたちは福岡のさまざまな場所を訪れ、人々に出会い、そのときの感触を確かめながら表現や思考を紡いできました。急速に変わりゆく都市のなかで、アーティストたちをとらえて離さなかったものとは何だったのでしょうか。本展では、Artist Cafe Fukuokaと福岡アジア美術館の2会場に、アーティストたちの活動成果の一端をインスタレーション作品などで発表します。

◇関連イベント
今回の成果展では、Artist Cafe Fukuokaのグランド・スタジオとギャラリー、また福岡アジア美術館の交流ギャラリーでも滞在制作作品が発表されます。それぞれの会場の作品を前に、3人のアーティストにじっくりと語っていただきます。

オープニング・トーク
日時:2月23日(祝)14:00-16:00
場所:Artist Cafe Fukuokaグランド・スタジオ(集合場所)、ギャラリー

クロージング・トーク
日時:3月2日(土)14:00-15:00
場所:福岡アジア美術館 交流ギャラリー
※入場無料、申し込み不要
※メイタオ・チュのみ日英逐次通訳あり

■メイタオ・チュ[曲美陶][招へい期間 1/10 – 3/9]

1996年、深圳(中国)生まれ、ロンドン在住。
国家などの公的なアイデンティティを巡る言説や、その際に生まれるイメージを考察。テーマパークや想像上の物語をテーマに、ミニチュア玩具などを使って「進歩」の象徴である都市景観を遊び心交えて表現する。

滞在制作作品について
歴史ある博多旧市街と再開発が進む天神には、福岡のブランディングに関する二つの現象、すなわち過去と未来が拮抗し、国際化と「ふるさと」をめぐる言説に体現される二面性を読み取ることができます。市内の建設現場は、過去と未来の狭間にある現在を映し出しています。こうした時代の変遷を作品に取り込み、かつて存在したものと近い将来存在しうるものとの緊張関係を考察しています。

《新作のためのプラン》2024年

リサーチの様子

チュ・メイタオ[曲美陶]| 福岡アジア美術館 (fukuoka.lg.jp)

■川辺ナホ[招へい期間 1/10 – 3/9]

1976年生まれ、ハンブルク(ドイツ)、東京在住。
映像、インスタレーション、立体、ドローイングといった表現手法を横断しながら作品制作。主に「炭」というマテリアルを歴史的、社会文化的にリサーチし、個人の体験と重ね合わせながら現在の社会構造を照射する。

滞在制作作品について
炭素のみで構成されるカーボンナノチューブや、姪浜で見つけたボタ山で自然焼成されたシャモット(粘土を焼成したもの)など「炭」にまつわる事柄を幅広く調べています。福岡の街のリズムと自分を合わせたり、ときにはずらしたりしながらリサーチしていると、物事が思わぬ所に着地していきます。アーティストがリサーチするとはどういうことか。 その可能性を手探りしながら制作しているところです。

《新作のためのアイディア・スケッチ》2024年

リサーチの様子

川辺ナホ| 福岡アジア美術館 (fukuoka.lg.jp)

■花田智浩[招へい期間 1/10 – 3/9]
1986年生まれ、飯塚市在住。
写真をツールとして、目に見えるものの中にある見えないものを映し出し、再構築してきた。ルーテインによって引き起こされる思考停止に疑問を投げかけ、日常生活の中で見過ごされるものに光を当てる。

滞在制作作品について
学生時代は、何かあったらよく天神に出かけていました。天神に行けば何かある。何かあれば天神に行こうと、友人と出かけていた事を思いだします。再開発による天神の移り変わる都市風景ついて関心があります。その土地が持っていた特徴、人々の記憶、歴史のリサーチを行い、多様な視点を織り交ぜながら作品を制作します。

《新作のためのプラン》2024年

撮影風景

花田智浩| 福岡アジア美術館 (fukuoka.lg.jp)