第11回アーティスト・イン・レジデンスの成果展 パート2
- 期間
- 2011年11月12日 (土) 〜 2011年11月27日 (日)
- 会場
交流ギャラリー
◆平成23年度文化庁文化芸術の海外発信拠点形成事業◆
1999年から始まった福岡アジア美術館のレジデンス事業の本年度第2期は、ベトナムからグエン・フォン・リンと、中国からルー・ヤン(陸揚)の二人のアーティストを迎えました。二人は9月から70日間福岡に滞在し、活動を行いました。
滞在制作では、グエン・フォン・リンは、福岡の地元の人々や場所を取材し、そこから採取したほこりと写真でインスタレーションを構成します。さらに、石の粉を使った風景のインスタレーションも制作します。一方、ルー・ヤン(陸揚)は福岡の生体科学や音響の専門家とコラボレーションし、カエルを使った映像作品を制作しました。
二人は、滞在制作の他にもワークショップやトークなど多彩なプログラムを行いました。本展では、こうした二人の活動の成果をご紹介します。
グエン・フォン・リン
1985年、ベトナム・ハノイ出身。自然素材を使った彫刻やインスタレーション、パフォーマンスなどをおこなうベトナムの新世代アーティスト。(滞在期間:9月6日~11月15日)
作家の言葉
《ストーンスケープ》
ホコリ・プロジェクトと共に、朝倉の山での石の爆破や採掘からでた大量の粉塵を使って、「ストーンスケープ(石景)」を作りました。私は破壊の衝動と修復の衝動に興味があります。ここでは、石の粉(ホコリ)が破壊された風景を回復する素材として、そして新しい人工的な風景を作り出すのに使われています。 すべての場所、すべての人、すべてのものは、私が信じるように、自然に帰るのです。
《ホコリ・プロジェクト》
私はホコリの町で生まれた
往来がホコリを運んでくる
雨がホコリを巻き起こし
陽はホコリをとおして照る
建築工事のホコリ、労働者のホコリ、道のホコリ
川の、教会の、幼稚園のホコリ
ロンビエン橋の、レーニン像の、
ホーおじさんの、ホコリ
タバコのホコリ、ゴムのホコリ、石鹸のホコリ
祖父母はホコリに帰って久しく、
アパートは今、ホコリまみれだ
旅のホコリ
福岡はなんでも清潔だけれど、ホコリもある、
爆弾のホコリ
遊郭のホコリ
火山のホコリ、港のホコリ
島のホコリ
目はホコリでかすむ
さまよう星のホコリ
いろいろな場所のホコリや
懐かしいものを集めるということは、
記憶を集める、ということだと思った。
ホコリには記憶もなく、価値もなく、意味もない。
ただ、ホコリなだけ。
ルー・ヤン(陸楊)
1984年、中国・上海出身。中国美術学院でニューメディアアートを学んだ、中国の新世代アーティスト。(滞在期間:9月7日~11月15日)
作家の言葉
2009 年より考えてきた「復活!水中カエルゾンビバレエ」 を、ここに映像作品として実現することができました。この作品はミュージックビデオの形をとっており、Midi コントローラーとMidi 信号で蛙の死骸をコントロールしてダンスを演出します。この作品で使った蛙の死骸は解剖実験で使用されたものであり、動物虐待に関与するものではありません。
私は、これまでテクノロジーや様々な表現手段を使って、作品を制作してきましたが、それは「コントロール」に対する関心があるからです。人間のコントロールと生物のコントロール。人間の思考がこのようなコントロールを左右し、また人と動物は共に生理的な限界からは逃れられません。しかし、自身の肉体の構造や病にコントロールされながらも、同時に、肉体が生み出す道具によって、コントロールに対し抵抗してい
るのです。
私はこれまでジャンル横断的なコラボレーションを実現させたいと強く望んできました。アートはとても小さな領域にしかすぎません。こうしたコラボレーションによって、異なる領域からたくさんのことを学べると信じていますし、とても期待しています。
最後に福岡アジア美術館、およびこの作品制作に協力いただいた専門技術のスタッフに、心より感謝いたします。
| 会場 | 交流ギャラリー |
|---|---|
| 観覧料 | 無料 |
| 主催 | 福岡アジア美術館 |