近代美術-Ⅴ インド近代美術の夜明け―カンパニー絵画

期間
2009年3月12日 (木) 〜 2009年3月29日 (日)
会場

アジアギャラリーB

アジア各地の近代美術の形成において重要な役割を果たした個人やグループ、動向などに光をあてる「近代美術シリーズ」。その5回目として、インドの「カンパニー絵画」を開催します。

「カンパニー絵画」とは、18世紀中葉から19世紀にかけて、イギリス東インド会社がインドに築いた拠点で、伝統的な細密画の技法を受け継いだインド人絵師たちが、主にイギリス人のパトロンに向けて制作した絵画の総称です。それらは、インドの民族や動植物、風俗などを、細密画特有の繊細で華やかな表現に遠近法や陰影法など西洋絵画の要素を融合した独特の様式で描き出したもので、不思議な魅力にあふれています。

本展では、インド近代美術の黎明期をかざる「カンパニー絵画」の世界を、ニューデリー国立近代美術館と福岡アジア美術館の所蔵品58点で紹介します。イギリスによる植民地化という激動の時代を背景に生み出されたインドの「カンパニー絵画」。インドと西洋それぞれに伝わる表現様式や価値観が、作品の中でせめぎあい、対話するその中に、来るべきインド近代美術の黎明期を探求します。