シルパ・グプタ

無題

1976年- インド

シルパ・グプタは、グローバル化するインドや世界が直面している政治・宗教・民族・経済などの問題を深くとらえ、キュートなデザインを装いながら、痛烈な皮肉とウィットを交えて表現する新世代のアーティスト。この作品は、パソコンのプログラムを使い、観衆が参加することによって成り立つ作品。ムンバイで流行の迷彩柄ファッションできめた女性たち (すべて作者自身) を、観衆がマウスでクリックすると、7人の女性が次々と同じように軍隊の教練のポーズを真似ていく。そのポーズに合わせて「走れ」「殺せ」「黙って従え」などの文字が床面を流れる。ここで暗示されているのは、たわいもないコンピューター・ゲームの中にも、他人を操作し支配しようとする欲望や操り人形のように自らが支配されることを受け入れてしまう危険、そして、こうした人間のなかに潜んでいるものが戦争やテロの脅威を導いてしまう可能性なのである。(IR)

作品詳細

作品名 無題
作者名 シルパ・グプタ
制作年 2004年
材質/技法 インタラクティブ・ビデオ