ジャン・ペイリー(張培力)
いいようのない快感
29インチのテレビモニター12台で上映するビデオ作品。3台ずつ4種類の映像が流れ、肩、腕、腰、足を掻く行動が繰り返される。皮膚が赤くなっても掻くことをやめない人間の異様な行動は、一種の自虐的な「柔らかな拷問」であると同時に、その拷問がいつしか一種の「快感」とでも言える感覚へ変わることを示している。ジャン・ペイリーは、90年代初頭からビデオ・アートに取り組んできた。一貫して、単純な行動の反復を表現することで、中国社会で彼が感じてきた心理的な圧力や、グローバルな規模で画一化がすすむ社会の閉塞感、慣れることで無感覚になっていく人間性を語る。この作品は、当館所蔵の洗面器で鶏を延々と洗い続ける『ドキュメント・衛生 No.3 』(1991年)と並ぶ彼の代表作である。(RT)
作品詳細
作品名 | いいようのない快感 |
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作者名 | ジャン・ペイリー(張培力) |
制作年 | 1996年 |
材質/技法 | ビデオ・インスタレーション(30分)、DVDプレイ |
サイズ | ヤー(4台)、29インチモニター(12台) |