コレクション展
神々の島から─インドネシア・バリ島の美術
- 期間
- 2023年3月23日 (木) 〜 2023年6月20日 (火)
- 会場
アジアギャラリー
日本でも人気のリゾート地として知られるバリ島。イスラム教が多数派を占めるインドネシアにあって、バリ島では、ヒンドゥー教と土着の信仰が混ざりあった特異なバリ・ヒンドゥー文化が育まれ、しばしば「神々の島」と呼ばれてきました。
19世紀にオランダの植民地となる以前、バリでは貴族や王族の庇護のもと、宮廷や寺院を中心に、主にヒンドゥー教の神話や物語、あるいは独自の宗教的宇宙観を反映した芸術が生みだされてきました。一方で、そのような「神々の島」としてのバリの姿は、オランダの植民地支配下で価値づけられたものでもあります。また、多くの観光客を魅了してきた「バリ絵画」も、実は20世紀前半にバリを訪れた外国人との交流や影響を経て生み出されたものでした。バリの芸術家たちは、外からの視線や価値観と時にぶつかり、時に戦略的に融合しながら、「神々の島」バリのイメージをつくりだし、またかき換えてきたのです。
本展では、伝統的なカマサン様式の絵画から、近代化の過程で生み出された「バリ絵画」まで、バリの豊かな精神世界や日常を映し出す作品をご紹介します。