コレクション展
「私」から問う―アジアの現代写真Ⅰ
- 期間
- 2023年1月2日 (月) 〜 2023年3月21日 (火)
- 会場
アジアギャラリー
19世紀初頭に「光の化学反応によって図像を定着させる技術」として生まれた写真。
テクノロジーの進化により、そのあり方は多様化していますが、写真の発明から今日まで人々が普遍的に関心を寄せているもの、それは「セルフ・ポートレート」です。
現代においては、インターネットの普及と小型カメラが組み込まれたスマートフォンの登場で、誰もが写真を大量に撮影することができるようになり、SNS上で「セルフィー(Selfie)」と呼ばれる自撮り写真を拡散する動きが世界的な流行となっています。これはつまり「セルフ(自分)」を「ポートレイト(生き写し)」することで、自分が置かれている現実をカメラという客観的な視点で新たに見出そうとする行為と言えるのではないでしょうか。
このコーナーでは現代の多様化する写真表現のなかで、アジアの作家が自らを被写体にした1970年代後半以降の作品を展示します。
前期展示(1月2日~3月21日)は、アジアの家父長制価値観が根強く残る国や社会のなかで、女性作家たちが自らの立ち位置や生き方を見つめ「あるべき/ありえた自分の姿」を写した作品を紹介します。後期展示(3月23日~6月20日)は、アイデンティティを模索しながら国や社会に感じる閉塞感を自らの身体で批判的に問いかける作品や、写真を合成加工することで虚構の風景を現実のように鮮明に写しだした作品を紹介します。
これらの作品から、「私から問う」姿勢の先にある作者たちの眼差しが見えてくることでしょう。