コレクション展

飛びたい!―自由な大空へ

期間
2011年7月7日 (木) 〜 2011年10月11日 (火)
会場

アジアギャラリーB

1.空飛ぶものたち
アジア各地には、空を自由に飛ぶことができる神秘的な動物や神さまなどの存在を伝える、さまざまな物語があります。
たとえば、インドの古い叙事詩『ラーマーヤナ』では、「ハヌマーン」という大きな猿が登場しますが、この猿は『西遊記』や『ドラゴンボール』でもおなじみの「孫悟空」のモデルになったと言われるほどアジア各地で人気があり、言い伝えによると、海を飛び越えてインドからスリランカに行くことができたといいます。
また、マレーシアのカリマンタン(ボルネオ)島のある地域では、カラフルで大きな嘴(くちばし)が特徴的な鳥「サイチョウ」が、森を護る神獣として信仰されてきました。
このコーナーでは、こうした神話をはじめ、アーティストの想像力が生み出したさまざまな「空飛ぶものたち」とその空想的な世界を紹介します。

 

2.飛びたい!
このコーナーに登場するのは、初めから飛ぶことができるものたちばかりではありません。
アルパナ・コウルの「体は衣に過ぎず」では、カースト制というインドの身分制度や女性という社会的弱者としての立場、あるいはその社会的な役割などによって身動きがとれなくなった女性の姿が描かれています。しかし、その女性(あるいはその魂)は、最後には「飛びたい!」という心からの叫びとともに、大空へと羽ばたいていきます。
また、ウー・リンシャン(伍霖生)の「豊作また豊作、躍進また躍進」では、ロケットにまたがった男が陽気に空を飛んでいますが、ここには皮肉にも実現されなかった中国国家の大いなる夢が投影されていました。
このように、このコーナーでは「飛びたい!」という強い願望をもって、自由で平和な大空へと、あるいは希望に輝く未来へと飛び立つものたちを紹介します。

 

3.飛ばせ、大空へ
これまでのコーナーでは、様々な「空飛ぶものたち」を紹介してきましたが、大空へと飛ぶのは、なにも自分自身である必要はありません。
たとえば、タイ北部でおこなわれる「イーペン」というお祭りでは、豊作への感謝の気持ちや罪の浄化への祈りを乗せ、コムローイと呼ばれる何千個もの灯籠を夜空に放ちます。
一方、中国人アーティストのツァイ・グオチアン(蔡國強)は、地球外生命と交信するために火薬を爆発させ、その閃光を宇宙へ飛ばそうとしました。展示している絵画と一台の冷蔵庫は、この計画のための設計図です。
このコーナーでは、大空や宇宙への思いが込められた作品を紹介します。

 

4.ひょっとして、飛びたい?
最後に紹介するのは、イメージの組み合わせから「ひょっとして、飛びたい?」と思わせる作品です。作者が意図していることもあれば、単なる偶然や誤読ということもあるかもしれません。しかし、自由な見方で鑑賞していいのも、アートの魅力のひとつです。
このコーナーは、作品解説をまずは読まずに、鑑賞してみてはいかがでしょうか。