ヒンドゥーの神々の物語
- 期間
- 2022年1月2日 (日) 〜 2022年3月29日 (火)
- 会場
アジアギャラリー
ヒンドゥーの神々といえば、どのような姿を思い浮かべるでしょうか。たとえば、破壊と創造の神シヴァ、変幻自在な神ヴィシュヌ、美しい女神ラクシュミーなど、神話と共に伝えられてきたその姿と超絶パワーは、古代から人々の熱烈な信仰を集めてきました、果たしてこうした神々のイメージは、いつ・どのようにして広がったのでしょうか。
本展は、長年にわたりインド大衆宗教図像を蒐集してきた黒田豊コレクションを核に、福岡アジア美術館、古代オリエント博物館、平山郁夫シルクロード美術館などのコレクションを加え、ヒンドゥーの神々のイメージの変遷を古代から現代までたどる展覧会です。
古くは先史インダス文明の出土品や女神像にはじまり、17世紀以降の優美なインド更紗やガラス絵、大衆文化を彩った民俗画、ヴァルマー・プリントと呼ばれる印刷物、現代イラストレーションなど、出品作品は立体・絵画・印刷物・写真など約500点に及びます。また、こうした神々のイメージは、時代とともに表現される素材・技法・メディアが異なり、それを礼拝する人々の信仰のありようも変化してきました。
本展では、これらの貴重な作品・資料を通して、インド文化の基盤となり、篤く信仰されてきたヒンドゥーの神々とその豊穣なる世界像をさまざまな角度から紹介します。
◆序章 インド世界の誕生―土・石・金属の造形
インド亜大陸の北西部に栄えた古代のインダス文明は、畏怖と豊穣の象徴として自然や動物、女性たちを畏れ敬う素朴な信仰を有しました。バラモン/ヒンドゥー教以前の世界を紐解きます。
◆第1章 煌(きら)びやかなイメージ―更紗・細密画・ガラス
17世紀以降のインドでは、各地の王族やイギリスの高級官吏向けの美術品として、更紗や細密画などの伝統絵画があり、新しい描法や素材も試みられました。画題ではクリシュナなどが人気を集めました。
◆第2章 民衆に愛される神々―民俗画・刺繍・祭り
インド各地で催される祭りでは、ヒンドゥー教の神々に対する民衆の信仰心が熱狂的に高まります。村々に伝えられてきた素朴な民俗画や、寺院前で売られていた安価な神さま絵にもさまざまな物語や神々の姿が描かれていました。
◆第3章 印刷術とグローバル時代の到来―書物・オレオグラフ・陶磁器
大航海時代とともに、オランダやイギリスなどがインドに到来。文化人類学的な知見や書籍・印刷物によってインド世界が急速にグローバル化します。この流れはインド人画家のラヴィ・ヴァルマーの登場によって本格化し、彼の描いたヒンドゥー神話のイメージがインド中に流布していきました。
◇日本・ヨーロッパから輸出された品々
ヨーロッパや日本国内において生産され、インドに輸出されたリトグラフやマッチラベル、陶器の人形、タイルなどを紹介。
◆第4章 ヒンドゥーの神々の諸相
◇ヴィシュヌ神と叙事詩
クリシュナやラーマなどの英雄物語を取り込み、絶大な人気を誇ったヴィシュヌ神を紹介。
◇シヴァ神とその眷属
破壊と創造の神シヴァ、怒れるカーリー女神、象の頭をしたガネーシャなどを紹介。
◇女神とアプサラス
美と幸運の女神、神聖な川の女神、天女など、自然や豊穣と結びついた女神信仰を紹介。
◆第5章 21世紀へ―物語は語り継がれる
出版産業の拡大のみならず、テレビやインターネットの普及によってさらに大衆化し、世界の隅々にまで飛び交うようになった現代。時代とともに変転しつづけるヒンドゥーの神々の物語を紹介します。
会場 | アジアギャラリー |
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観覧料 | 一般200円(150)円 高大生150(100)円 中学生以下無料 |
主催 | 福岡アジア美術館、西日本新聞社、公益財団法人 福岡市文化芸術振興財団 |
問い合わせ | 福岡アジア美術館 |
協力 | 在大阪・神戸インド総領事館 |
助成 | 公益財団法人 花王芸術・科学財団 |
その他 | 関連イベントも多数開催予定。 |