開催中止
亜洲(アジア)芸術双年展 in 福岡

期間
2020年3月12日 (木) 〜 2020年3月17日 (火)
会場

企画ギャラリーA

アジアの伝統と現代美術について考える
第5回アジア美術ビエンナーレ

2009年に開して以来、「九華芸術連合会」は福岡で2年ごとに日中のアーティストによる大規模な美術展を開催して来ましたが、今度10周年を迎えて、「第5回アジアアートビエンナーレ」に改名いたしました。

アジア大陸には古くから独自の長い歴史と文化、芸術があり、芸術の発展は経済の成長も新たな要素をもたらしました。伝統を継承しながら新しい文化を創るもの、あるいは西洋のルネサンスの波に乗って伝統を壊していこうとするもの、各々が個性を追求し自我を実現しようとしてきました。特に近年50年間では、アジア経済のめまぐるしい発展に伴い、アジアの芸術は一つの新しい系譜として確立されたと考えてよいと思っています。美術におけるアジア的なの要素は、今日の美術界の大きな源となっています。

この大きな変化の局面において、アーティストたちはそれぞれ何を取捨選択したのでしょうか。刻々と変化して行く世界に直面して、思考や表現方法、自己価値を実現する方法はいかにあるべきか。これらは、現代のアジアのすべてのアーティストが直面している共通の問題でありテーマでもあって、最も苦慮していることでもあります。

10年来の活動を続ける本展の意義はこのような状況であるからこそ大きな意味があると考えています。アジアが東洋文化と西洋文化の衝突の影響下で世界規模の環境変化を経験している現在、どのように伝統と革新をこの世界において融合できるのか。伝統的な文化の中での現代美術はどうあるべきか。これらはすべてのアジアのアーティストが直面している大きな問題です。いまアジアのアーティストたちは何を考え、何を創造すべきか。伝統、あるいは革新のいずれかを追求するとしても、アジア美術の将来はどこにあるのか。現代のアジアのアーティストたちは、西洋美術の発展にどのような関心を払っているのでしょうか。それともオリエンタリズムへの回帰を模索しているのでしょうか。いずれにしても、今日のような多様な世界で、伝統芸術を守ってきたアーティストたちはどのようにしてそれをより良く継承できるのか。

一方、世界から見た現代のアジアアートの印象はどうでしょうか。それは世界とうまく調和しているのか、それとも伝統を放棄しているように見えるのか。あるいはこの衝突の中で、新しい自己を確立しているように見えるのか、それとも民族的な原点に回帰しているように見えるのか。これらの問題は、現代のアジアのアーティストたちに共通する思考と創造の源であります。このような思考と創造のもとに、本展に出品された数々の作品を御覧いただけたらまことに幸甚の至りです。

最終日3月17日(火)17:30まで