コレクション展

アジア・ネクスト―はじまりの物語

期間
2019年1月2日 (水) 〜 2019年7月9日 (火)
会場

アジアギャラリー

2019年3月。開館40年を迎える福岡市美術館がついに新しく生まれ変わります。このリニューアル・オープンにあわせ、当館でも胎動する未来を予感させるような選りすぐりの現代美術作品を紹介します。

◆誕生

◆子ども時代

◆変身

◆はじまりの物語

最初のコーナーでは誕生というテーマのもと、社会的あるいは生物学的な女性/男性の違いや立場について疑問を投げかける作品が展示されています。たとえばアイーシャ・ハーリドの「ビーナスの誕生」では、全身をブルカに覆われたビーナスの姿によってイスラーム社会における女性の立場が、またリン・ティエンミャオの「卵 #3」では、中国的な家父長制社会における女性の立場が示唆されています。21世紀は女性の時代ともいわれていますが、マイノリティに属するあらゆる人々が活躍できる社会とはいったいどのようなものなのでしょうか。

次の子ども時代では、戦争という過酷な状況におかれたアフガニスタンの子どもたちに関するハーディム・アリーの「誰もいない台所」とともに、それとは対照的に、のびのびと遊びまわる子どもたちを描写したタイやインドネシアの作品を紹介しています。

なにかの生物のようにも、はたまたハイテクなサイボーグのようにも見える作品「さなぎ」ではじまるコーナーのテーマは変身。ほかにも、クールで格好いいヒーローやヒロイン、逆に怖さを感じさせるような不思議な生物などが登場します。

最後のコーナーははじまりの物語。このコーナーの作品は、どれも何かのはじまり、あるいは何かを乗り越えた先にあるはじまりを告げています。たとえば1975年に制作されたベトナムのポスター。この年、ベトナムでは10年以上も続いたベトナム戦争がようやく終結しました。ポスターにはどれも安堵と未来への希望があふれています。一方、スボード・グプタの「29の朝」は、亡くなった父親への思いが込められた作品です。しかしそこには悲しみと同時に、新しい朝、新しい時代への、確かな意思の力が感じられるのです。