第15回アーティスト・イン・レジデンスの成果展
- 期間
- 2016年12月3日 (土) 〜 2016年12月25日 (日)
- 会場
その他
第15回アーティスト・イン・レジデンスの成果展福岡アジア美術館では、アジアの各国・地域からアーティストを招聘し、滞在制作やワークショップなどをとおして様々な美術交流をおこなう「レジデンス・プログラム」を実施していています。このたび本年度レジデンス・プログラムとして滞在制作をおこなった、ロー・イーチュン/羅懿君(台湾)とジュリアン・エイブラハム・“トガー”(インドネシア)の二人のアーティストの成果を展示いたします。
ロー・イーチュン (羅懿君) [台湾]
かつて博多と台湾を行ききした博多商人は、台湾の珍しい風物をとりいれた家具で部屋を飾ったという。その部屋をイメージした、台湾の古い風景写真を使った屏風とバナナの皮で作った鹿皮風絨毯による不思議な空間!
作家の言葉
トロピカル・コレクション」は、台湾の12カ所の風景を取り上げています。これら の場所はかつて輸出用の作物・自然資源を生産していた場所です。また、合わせてバナ ナの皮でつくられた鹿皮模様の敷物を展示します。
今回のシリーズで、私は国際貿易の背後にある文脈に思いを馳せました。博多港が日 本の海洋史において重要な役割を担う場所であることを踏まえ、アジア美術館に滞在中、 かつて船を所有し、その船でアジアの国々をまわった博多商人の子孫の方を訪ねました。 今回の作品では、歴史に基づきある物語をつくり、歴史的な写真を組み合わせることで 作品の中に新たな風景をつくることを試みました。そのことを通じて複層的な風景を提 示し、既存の資料を使いながら、現実と虚構の境界について問いかけ、異なる解釈の可 能性を開くことができればと思います。
また福岡アジア美術館に滞在中、日本の「屏風」に興味を持ちました。今回の作品で は屏風のスタイルを用いることで、風景の地理的な特徴を幾何学的な形に落とし込み、 彫刻、家具、そしてインスタレーションといった異なる手法の境界を探求しようと試みました。
ジュリアン・エイブラハム・“トガー” [インドネシア]
博多に生まれたアフロ姿の謎の男、盆栽武(ぼんさいたけし)。歴史上の重要人物ではないが、博多のまちを調べるとその痕跡が次々と見つかった。ゆかりの品々で彼の足跡をたどるミュージアムが期間限定で開館!
作家の言葉
盆栽武博物館
今回のレジデンス・プログラムのための最初のプランは、モニュメント(記念碑)をつくる ことでした。ここで言うモニュメントとは、一般的なモニュメントと同様に、特定の社会や特 定の地域の歴史的情報をもとにつくられたものを指します。モニュメントは、特定の場所が持 つ歴史を保存し、特定の歴史的な出来事を象徴します。一方、モニュメントは文化的な声明で もあります。ただ通常のモニュメントと私の提案が異なるのは、私の考える「モニュメントブ くり」が、必ずしも「形のあるもの」を想定していないということです。つまり私が考えるモニュ メントは、活動や出来事といった形をとる場合もあります。
福岡に到着後、私はこの場所で「保存されるべき」ものを探しました。ただすぐに、ここに はそのようなものは無い、ということに気づきました。滞在がすすむにつれ、私はこの場所で、 「保存すること」について学ばせてもらっていることに気づきました。一般的に日本の文化は、 建物のような「もの」であれ、祭のような「こと」であれ、非常に良く保存されていると思います。 福岡で目にしたのは、私がこれまで保存について学んだこととは全く異なるものでした。福岡 で私が体験・観察したことから言えるのは、日本の文化における保存とは、非常に流動的であり、 それ自体が生き物のようであるということです。もし物事をありのままに保存する手法を学びたい、という人がいたら、日本に行くことを勧めたいと思います。
今回の福岡での滞在で、私は保存についての知識をより深めることができました。同時に私 はここで経験したことそのものを保存したいと思い、「盆栽武(ぼんさいたけし)」という架 空の日本人の物語をつくりました。私は盆栽武の存在を、様々な視覚的なものの中に埋め込み、 それらをあつめた博物館をつくりました。博物館は、人々に記憶されるべきもの、場所、人あ るいは出来事について考える場として最適です。 盆栽武の物語は、福岡での日々の活動や人々との関わり、会話、祭りやイベントへの参加、 福岡近郊の様々な場所を訪れることで膨らんでいきました。これらの物語は人々や場所との出 会いから生じた私の実際の経験に基づいています。
盆栽武の物語は日本人が人、場所、そして 過去といったものに対し、どのように敬意をはらい、それらをどのように保存しているかにつ いて、私自身が学んだ事が反映されています。 博物館をつくる過程において、多くの人々と一緒に創作を行うことができました。その多く はアーティストです。私はこの博物館をアーティスト同士が共に創作を行う場として機能させ たいと思いました。アーティスト、あるいは様々な人々との共同作業を通じて、より良い内容、 より良い物語をつくりたい、と。盆栽武博物館を共につくる過程は、人々に盆栽武の存在を認 めてもらう過程でもありました。今回の創作を通じ、共に創作いただいた皆さんとの関係を、 今後も長く続く繋がりへと発展できることを願っています。
会期:2016年12月3日(土)~25日(火)
会場:福岡アジア美術館 7階ロビー
*トガー作品「盆栽武ミュージアム」は、12/3(土)10:00~20:00のみ、「デザイン事務所 カラマリインク」(博多区奈良屋町11-15)にて展示し、12/4(日)午前中に当館へと移動します。当館での完成した状態での観覧は、12/4(日)午後以降となります。
| 会場 | その他 |
|---|---|
| 観覧料 | 入場無料 |
| 主催 | 福岡アジア美術館 |
| 問い合わせ | 福岡アジア美術館〒812-0027 福岡市博多区下川端町3 - 1 リバレインセンタービル7 ・8 階TEL:092-263-1100 FAX:092-263-1105 |