あじびレジデンスの部屋 第Ⅱ期「きのう見た夢」はどこへ?―コビール・アフメッド・マスム・チスティ

レジデンス成果展示

あじびレジデンスの部屋 第Ⅱ期「きのう見た夢」はどこへ?―コビール・アフメッド・マスム・チスティ

期間
2023年9月14日 (木) 〜 2023年12月25日 (月)
会場

アジアギャラリー

《はじめに》

福岡アジア美術館では、1999年の開館当初から、毎年アジアの美術作家や研究者を招いて一定期間滞在していただき、市民との共同制作やワークショップ、トークなどをとおして交流をおこなう「レジデンス事業」をすすめてきました。こうした交流により、地域の人々がアジアの美術と文化への理解を深め、アジアの美術交流拠点となることを目指しています。2022年より、Fukuoka Art Next(福岡の若手アーティストの支援をめざす福岡市主催の事業)の一環として、アジアのみならず、国内外から公募した年間8~9組のアーティストが、Artist Cafe Fukuoka(中央区城内)のスタジオで制作に取り組んでいます。
こうしたレジデンス事業の「これまで」の取り組みとその後のアーティストの活躍を紹介するため、2019年度より「あじびレジデンスの部屋」を開設しました。
2023年度第1期は、「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014」で、レジデンス・アーティストとして招へいされ、福岡で滞在制作やワークショップ「きのう見た夢」を行ったコビール・アフメッド・マスム・チスティー(バングラデシュ)を紹介します。アニメーションという絵を動かす表現だけでなく、自分の体を動かすパフォーマンス作家としても国際的に活躍するコビール・アフメッド・マスム・チスティー。その幅広い活動の一端を、当館の所蔵作品に加え、近年のパフォーマンス作品も含めて紹介します。

 

《作家紹介》

コビール・アフメッド・マスム・チスティー Kabir Ahmed Masum Chisty

1976年、ナラヤンゴンジ生まれ。バングラデシュのダッカ、ナラヤンゴンジを拠点に活動。「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014」の出品作家として、2014年10月14日から11月16日まで、福岡アジア美術館に滞在し、作品制作やワークショップを行いました。

自分自身を写した写真と手描きのドローイングを組み合わせたアニメーション的手法で、自己の葛藤を見つめて表現する作家。彫刻を学んだ後、アニメーション制作会社で子ども向けの短編アニメーションを制作しながら、インスタレーションやパフォーマンス作品を国内外で発表してきました。
「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014」(FT5)では、ベネチア・ビエンナーレ(バングラデシュ館)の出品作品でもあるアニメーション《苦悩》とともに、新作《繭》を発表しました。また、福岡でのレジデンス中には、子どもたちが描いた絵画と音を用いた共同制作によるアニメーション作品《昨日、私たちが一緒に見た夢》を制作しました。
近年は、各地の国際展などで、創造神話をテーマにしたり、ベンガル語を用いた素描によって作品世界を作り上げ、その空間で素描と呼応するようなパフォーマンスをおこなうなど、自分の身体をもちいたさまざまな試みをしています。作者は、自己の内面を見つめるというテーマの面でも手法の面でも、これまでのバングラデシュらしさから抜け出した、新しい美術の流れを生む作家です。

 

《ワークショップ紹介》

《昨日、私たちが一緒に見た夢》ができるまで

  1. アニメーションの原画づくり「きのう見た夢を絵にしよう!」

日時:2014年10月17日
場所:あじびホール、彫刻ラウンジ
参加者:福岡市立有田小学校3年生104人

コビールは、有田小学校の児童に自分の作品についてのトークをおこない、児童は「きのう見た夢」をテーマに、クレパスで絵画を制作しました。その後、コビールはスキャンした児童の原画を繋げて編集し、アニメーションを制作しました。

2.アニメーションの音づくり「『きのう見た夢』の音を創ろう! 

日時:2014年11月6日
場所:あじびホール、交流スタジオ
参加者:福岡市立千代小学校3年生39人

千代小学校の児童が有田小学校のアニメーションを見ながら、家庭科室や図工室から持参した身近な器具を使って即興で演奏をおこないました。最終的にコビールがサウンドを編集することで、福岡の子どもたちの日常が寓意的に描かれた共同制作作品が完成しました。
アニメーション制作ワークショップ「きのう見た夢」に参加した小学生たちは、自分の描いた絵や作った音がつながって動き出す楽しさに、照れながらも大喜び。アーティストのコビールのちょっとした声かけから、新しい発想がつぎつぎ生まれた作品となりました。

 

コビール・アフメッド・マスム・チスティー「パフォーマンス2015-2023」

《水と陣痛の物語》ほか全9作品のパフォーマンスを紹介しています。

《水と陣痛の物語》2023年2月3-11日「ダッカ・アートサミット」(バングラデシュ、ダッカ)

展覧会の様子
展覧会の様子
展覧会の様子
展覧会の様子
展覧会の様子
展覧会の様子