「あじびダンスホール」制作風景(2002年)©今村薫

レジデンス成果展示

あじびレジデンスの部屋 第2期
「踊りませんか? チョン・ヨンドゥ」

期間
2022年9月15日 (木) 〜 2022年12月25日 (日)
会場

M8ラウンジ

「あじびレジデンスの部屋」では、「福岡アジア美術館美術作家招へい事業」(1999年開館〜)や「福岡アジア美術トリエンナーレ」で福岡に滞在した作家の滞在中の活動やその後の活躍などを紹介します。

はじめに

今や韓国のみならず世界的に活躍する美術作家のチョン・ヨンドゥ。彼は制作にあたり、さまざまな人に自分の生活や夢などを取材し、ファンタジーと現実とが共存し、作品への参加者とともに未来を描くような、心温まる作品を制作してきました。

今から20年前の2002年、まだ新進のアーティストであったチョン・ヨンドゥは、「第2回福岡アジア美術トリエンナーレ」に出品。その交流事業の参加アーティストとして当館(あじび)に25日間滞在し、美術館のなかに華やかなダンスパーティ会場を作り出しました。今回は、壁紙のなかに楽しげに踊る人々が舞う滞在制作作品「あじびダンスホール」の一部を再展示します。チョン・ヨンドゥのその後のさらなる世界的な活躍につうじる福岡滞在中の制作活動を、残された記録でたどります。

 

チョン・ヨンドゥ、「第2回福岡アジア美術トリエンナーレ」のポスターを飾る        

1997年にイギリス留学から帰国したチョン・ヨンドゥは、2001年に当時ソウルで気鋭の現代美術作家を紹介していたアート・スペース「Alternative Space LOOP」で《ボラメ・ダンスホール*》を発表します。ソウル郊外にある旧韓国空軍士官学校の跡地に1985年に開園したボラメ公園の古き良きダンス教室で踊る人々とその周辺地域を撮影した写真によるインスタレーション作品です。本作品が評価されて「第2回福岡アジア美術トリエンナーレ」(当館開催)の出品作家に選ばれると共に、同展のポスター、図録の表紙を飾ることになりました。

*ボラメとは、狩猟用の鷹のことで、韓国空軍の象徴。

 

作家略歴チョン・ヨンドゥ

1969年 韓国・チンジュ(晋州)生まれ、ソウル在住の美術作家

1994年 ソウル大学美術科(彫刻)卒業

1995年 ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーティンズ(彫刻)卒業

1997年 ロンドン大学ゴールドスミス美術学校修了

 

当館の特別展エモーショナル・アジア(9/15-12/25、7階アジアギャラリー)にも、チョン・ヨンドゥの作品が展示されます。あわせてご覧ください。