チャイナ・ドリーム 描かれた憧れの中国――広東・上海

期間
2004年9月4日 (土) 〜 2004年10月17日 (日)
会場

企画ギャラリー

日本における中国美術の紹介は、主として清代以前の古い文物を通して行われてきました。また近年は、国際舞台でめざましく活躍する現代美術の作家に日本でも注目が集まっています。そうした中、本展は、中国の近代美術と大衆的な視覚文化までを視野に入れた、これまで語られることのなかった中国の近代美術の一つの流れに光をあてたもので、日本では初めての試みです。

具体的には、18世紀に西洋人向けに制作された作品から、19世紀前半の西洋向け輸出用絵画である「チャイナ・トレード・ペインティング」、そして、その技法を引き継ぎ、香港や上海で制作された20世紀前半の商業ポスターとその原画、中華人民共和国時代になって制作されプロパガンダの役目も果たした「新年画」などを紹介。中国独自の文脈に即した近代美術の流れの一つを明らかにするとともに、それらの作品が、当時の西洋人、近代化を進める都市の人、政治家といった人々のまなざしと不可分に結びつきながら、その時代の異国趣味、商業性、政治色等の要素によって洗練されていくというアジア美術に普遍的な過程を呈示します。なお、本展は開館5周年記念展として開催します。