民衆の鼓動―韓国美術のリアリズム1945-2005

期間
2007年12月2日 (日) 〜 2008年1月22日 (火)
会場

企画ギャラリー

これまで日本では、韓国現代美術といえば、「もの派」との影響関係が色濃い1970年代モノクローム絵画が主として紹介されてきており、それに加えて近年では、世界中の国際展で活躍する同時代の「海外派」の作家たちが日本に多数紹介されてきました。しかし、その中間の時代であり、また韓国が民主化運動や高度経済成長で政治・経済の面においてめまぐるしい変貌をとげた1980年代以降における韓国国内の美術は、これまで日本では体系的に紹介されることはありませんでした。本展覧会では、韓国社会の現実の反映としての美術という文脈から、過去に注目されてきた日本美術との共通点より、むしろ相違点にスポットを当てます。

1980年代の民主化運動の影響を受けたリアリズム系の民衆美術は、それまでのモダニズム絵画への反動といった造形面のみならず、80年代の韓国社会を如実に反映するものとして現れました。そして、今日の韓国現代美術も、この民衆美術運動の継承及び反動といった側面をもっています。

本展覧会では、国立現代美術館をはじめとする韓国側の美術館や各所蔵者の協力を得て、1980年代作のまとまった数の作品を、日本で初めて紹介します。また、この時代の美術を一つの中心として、解放以後、政権からの圧力を受けつつも綿々と続いてきたリアリズム系統の美術の流れを追い、また逆に、現在でも韓国現代美術の本流の中で活躍する、主としてリアリズム系の作家の作品を合わせて紹介することによって、これまで紹介されてこなかった韓国現代美術のもう一つの側面に焦点をあてます。