現代アジアの作家-Ⅴ 華麗なるネパールの神仏~ポーバ絵画の世界
- 期間
- 2011年1月2日 (日) 〜 2011年3月22日 (火)
- 会場
アジアギャラリーB
アジアの現代美術作家を紹介する「現代アジアの作家」シリーズの第5回目として、「華麗なるネパールの神仏~ポーバ絵画の世界」展を開催します。
ポーバ絵画とは、ネパールの先住民族であるネワール族の画家が描いた、仏教やヒンドゥーの神仏や曼荼羅などの絵画です。その起源は11世紀頃にさかのぼり、独自の様式を形成し、チベット仏教のタンカの成立にも影響を与えながら展開を続けてきました。現在もカトマンドゥ、パタン、バクタプルの三都市で盛んに制作されています。
本展では、伝統的な宗教絵画でありながら、西洋的な陰影表現や油彩技法など、新たな手法を取り入れて展開する現代のポーバ絵画の世界を、30作家57点の作品で紹介します。
ポーバ絵画とは
ネパールのネワール民族が描く、仏教やヒンドゥー教を主題にした絵画のことです。もともと「ポーバ」とは、インドの「パタ(Pata)」に由来する「布に描かれた仏画」を意味するネワール語でした。この本来の意味では、チベット語の「タンカ」と同じものをさし、「タンカ」とひとくくりりにされてしまうことも多いですが、ネパールの美術では、ネワール民族が描いたネワール様式の絵画を「ポーバ」、チベット系民族が描いたチベット様式の絵画を「タンカ」と、区別して使われています。
ポーバ絵画の特徴
本展の出品作品には、古くは15 世紀の絵画を元に描いた伝統的な様式の作品から、現代的な表現を見せる作品まで、さまざまな様式のポーバ絵画を展示しています。伝統的なポーバ絵画の構図上の特徴としては、画面が分割され、中央に主尊、上方に五仏(と脇侍)、下方に寄進者と僧侶などが描かれること、画面が隙間なく文様で埋めつくされること、画面の周囲を龍やガルーダを描いた装飾枠が取り囲むことなどがあげられます。背景に山水の景色が描かれるのは、タンカに由来する表現ですが、現代的なポーバ絵画では、この山水の景色が、西洋的な遠近法を用いた風景として描かれます。
ポーバ絵画の制作目的
もともと仏教やヒンドゥー教の信徒が礼拝の対象、または功徳をつむ目的で絵師に依頼し、制作が行われました。ネワール民族は仏教徒である場合が多いですが、ヒンドゥー教徒から注文を受けた場合は、ヒンドゥー教の画題を描いていました。しかし、現在では、そうした伝統は薄れ、鑑賞目的の絵画として、欧米を中心とする国外のコレクターやネパールを訪れる観光客向けに制作されています。
ポーバ絵画の材料
本来は、綿や絹の画布に、岩絵具(鉱物顔料)を用いて描かれていましたが、現代では、入手しやすいポスターカラーが用いられることも多いです。また、近年、油彩を用いて描く画家もでてきています。
ポーバ絵画の画家と制作地
ポーバ絵画は、現在、主にカトマンドゥ盆地のカトマンドゥ、パタン(ラリットプル)、バクタプルの3 つの街で制作されています。いずれもマッラ王朝時代(15-18 世紀)に王国があった、中世のたたずまいが残る街です。3 つの街を合わせても15 キロ四方に入る非常に狭い地域ですが、ここで約100 人を超える画家たちが、ポーバ絵画の制作を行っています。
画家たちは、特定の師について、数年間技術を学び、その後は個人単位で制作を行います。
| 会場 | アジアギャラリーB |
|---|---|
| 観覧料 | 一般200(150)円 高大生150(100)円 小中生無料 |
| 主催 | 福岡アジア美術館 |