南アジアの現代美術―ネットワークから世界へ
- 期間
- 2011年12月15日 (木) 〜 2012年3月27日 (火)
- 会場
アジアギャラリーB
南アジアでは、国境をめぐる摩擦や国内紛争による緊張が、今も現実として存在します。しかし、アートの世界では、90年代後半から、国や宗教や民族の違いを乗り越え、アーティストたちの相互交流が活発化しました。その中心的役割を果たしてきたのが、アーティスト主体の非営利団体です。インドの「Khoj」(1997年設立)、パキスタンの「Vasl」(2001年)、スリランカの「Theertha」(2000年)、バングラデシュの「Britto」(2002年)、ネパールの「Sutra」(2003年)など、各地で相次いで誕生したこれらの組織は、アーティストが一定期間、寝食をともにしながら作品を制作する「ワークショップ(※)」を中心に、長期滞在によるレジデンス、展覧会、上映会、シンポジウム、出版など、多岐にわたる活動を、互いに連携をとりながら積極的に展開してきました。
設立当初、南アジアでは、実験的なアートに対する支援やインフラが十分でなく、個々の力を集結させ、組織化・ネットワーク化を図ることで、アーティストたちは、自らをとりまく閉塞状況に風穴を開けようと目指したのです。「ワークショップ」が生み出す刺激的な交流の場。そこからアーティストたちは、外の世界について理解を深めるとともに、自らのローカルな文脈を捉えなおす視点にも(ローカルな文脈の可能性)気づいていきました。そして、ひとつの出会い、ひとつの活動が、次の地域、さらなる活動へと波及してゆき、結果的に「ワークショップ運動」とも呼べるような、南アジア独特の現象が生み出され、この地域のアートが世界から注目をあつめる原動力となっていきました。
本展では、当館の所蔵品の中から、各団体の主要メンバーや、活動に参加したアーティストによる作品を、「ワークショップ」の記録写真や関連資料と合わせてご紹介します。ここで紹介できるのは、ほんの一部ですが、90年代後半から現在に到るまで、南アジアの美術が世界へとつながる一翼を担ってきたこれらの組織とアーティストたちの熱いエネルギーを感じて頂ければ幸いです。
※「ワークショップ」とは?
元々は英語で「工房」「作業場」など共同で何かをつくる場所を指した言葉。美術の文脈では、アーティストが自ら参加・体験し、グループの相互作用の中で、何かを学習・協議・創造していく、双方向な創造の場を指して使われる。
| 会場 | アジアギャラリーB |
|---|---|
| 観覧料 | 一般200円(150円) 高校・大学生 150円(100円) 中学生以下無料 |
| 主催 | 福岡アジア美術館 |