特別展

魅せられて、インド。―日本のアーティスト/コレクターの眼

期間
2012年1月21日 (土) 〜 2012年3月11日 (日)
会場

企画ギャラリー

日本とインドの美術交流ことはじめ
日本が知るインドとは、長く仏教を通じてもたらされた、釈迦の誕生した天竺の国のイメージでした。美術交流においては、20世紀初めに、岡倉天心のインド訪問を皮切りに、日本の画家とベンガルの画家との行き来が始まります。天心の勧めにより横山大観や菱田春草は、北カルカッタ(現コルカタ)のタゴール(タクル)一家を訪ね、特にカルカッタ官立美術学校の校長を務めた美術作家のオポボニンドロナト・タクルらベンガル派の画家たちと親交を深めました。その後も多くの日本の画家が、彼らが開いた道たどってインドを訪れ、遺跡の壁画の模写や、仏教やヒンドゥー教の神話、またインドの人々の生活を描くようになります。ここでは、まだほとんどの日本人にとってはインド訪問の機会など稀だった時代における、日本とインドとの美術交流の黎明期を、日本とインドの作家によって紹介します。

 

アーティストが見た「インド」
1960年代以降、インドの文化や精神世界にあこがれ、多くの日本人がインドを訪れました。ここでは、インドを旅し、足繁く通いつづけながら現地を調査し、深く交流する中で、インドの視覚文化の影響を強く受けた戦後の画家、 グラフィック・デザイナー、写真家、漫画家など、さまざまなジャンルのアーティストを紹介し、なかでも日本人が抱くインド・イメージの 形成に大きな影響を与えたアーティストを取り上げます。アーティストたちは「混沌のインド」を、一体どのように見たのでしょうか。 また、作品と同時に、アーティストたちが、コレクターとしてインドから持ち帰った絵画や印刷物、染織や民芸品など、アーティストが魅了されたこだわりのコレクションもあわせて展示します。表現された作品と蒐集されたコレクションの両方をひとつの部屋に展示することにより、それぞれのアーティストがどのようにインドを理解し、自分の表現に結び付けていったのかを探ります。

 

「インド」集めたコレクターたち
インドへ旅したのは、アーティストばかりで はありません。学生やサラリーマン、研究者、貿易商などさまざまな職業の人々が、インドに向 かいました。そうした人のうち、ものに魅せら れたり、もともと蒐集癖のあった人々は、豊かな視覚表現の宝庫であるインドと出会い、次第 にそれぞれの「インド」を収集し始めるように なりました。 ここでは、インドへ息長く愛情を抱き続ける コレクターたちが、独自の美意識とこだわりに よって選び抜き、数十年もの歳月をかけてこつ こつと蒐集してきた石版画や民俗画、染織、映 画グッズなど多彩なインドのコレクションを 紹介します。このコレクションを作品のジャンルごとではなく、コレクターごとに分けて紹介 することで、各コレクターたちが夢中になった こだわりの世界を再現し、インドの魅力を見抜 く眼力とその美意識にせまります。