ダダン・クリスタント
官僚主義
ジョグジャカルタで学生時代を過ごしたダダン・クリスタントは、1980年代末以降のインドネシアの新しい美術潮流を作りだした立役者のひとり。絵画、彫刻、パフォーマンスと表現手段はその時々で違うが、作品の核心部にあるのは幼少期に父親を失ったトラウマと、「暴力」への飽くなき反抗心だ。ジャワの影絵芝居「ワヤン・クリッ」の素材をつかったこの作品では、長い舌をだす男たちがまるで右へならえをするかのように、より大きな権力者に媚びへつらう様子が描写される。その表現は一見するとコミカルだが、男性性器によって暗示されるマッチョな支配欲を隠そうともしない姿は、民衆の生活と命をもてあそぶ怪物以外の何者でもない。この作品によって作者は、官僚機構の首領が軍人だという危険性とともに、こうした社会の現実を痛烈に批判している。(NT)
作品詳細
作品名 | 官僚主義 |
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作者名 | ダダン・クリスタント |
制作年 | 1991-1992年 |
材質/技法 | アクリル、鉛筆、クレヨン、インク・合板、木、水牛の角 |
サイズ | 151.9×563.5×93.0 cm |