サンミン

コンピューター・コントロール・システム

1951年- ミャンマー

サンミンは、ミャンマーの最初期現代美術グループ「ガンゴー・ヴィレッジ・アート・グループ」(1979年)の設立メンバーで、1980年代以降のミャンマー現代美術を牽引したパイオニアのひとり。一貫して社会的テーマを追求し、表現主義的な作風で描いてきた。この作品は、1982年のフォークランド紛争を時代背景に、2001年の近未来を想像して描いたもの。未来の宇宙戦争は、コンピューター制御のロボットのみが戦い、何もすることがない人間は緑深い大地で帽子をかぶって眠り込んでいるのである。戦闘機の頭部がサメになるといった、異なる種類の同じ性質のもの(ここでは危険)を組み合わせる手法は、現在まで継続する作者独自のデザイン性の強い表現である。人の手を離れ、コンピューターがコントロールするシステムのもとで生きざるを得なくなる社会を、鋭くかつユーモラスに予見した作品である。(IR)

作品詳細

作品名 コンピューター・コントロール・システム
作者名 サンミン
制作年 1985年
材質/技法 油彩・画布
サイズ 76.0×115.0 cm