ロベルト・フェレオ
スペインの暗い側面の祭壇屏
スペインの植民地支配など、長く異文化の影響を受けたフィリピンでは、フィリピン文化とは何かを問い、自分たち自身で歴史を語り直そうとする動きが活発だ。ロベルト・フェレオは、スペイン時代以前の、本来の、「無垢な」フィリピンをピンタド(初期のスペイン人入植者たちは、全身に入れ墨を施した先住民を、描かれた人=ピンタドと呼んだ)というキャラクターに仮託し、ピンタドの波乱の物語を通して、民衆から見たフィリピン史を絵画の形で物語る。この謎めいた大作は、スペイン時代のキリスト教会の祭壇屏の形式を借りて、白人の神が、有色人種の生殺与奪の権利を握っていることをほのめかす。同時に、下段の人間以前の存在が、有色人種、白人へと上向きに進化していくという、一種のヒエラルキーのパロディにもなっている。(UM)
作品詳細
作品名 | スペインの暗い側面の祭壇屏 |
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作者名 | ロベルト・フェレオ |
制作年 | 1985年 |
材質/技法 | アクリル、おがくず・木 |
サイズ | 391.3×311.1 cm |