ジョージ・キート
レモンのある静物
ジョージ・キートは、キュビスムなどの新しい絵画表現を意欲的に取り込んだスリランカ近代美術の巨匠。1940年にはコロンボにあるゴータミー寺院の壮大な仏教壁画を完成させるが、マーラ(悪魔)の姿だけをキュビスム的に描き分けるなど、仏教絵画の伝統とキュビスムの実験的造形を破綻することなく両立させ、高い評価を受けた。そして1943年にはスリランカ初のモダニズム美術家集団「43年グループ」を結成。その革新的な表現によって、作者はグループの中核を担ったのだった。レモンなどの静物を描いたこの作品では、線と色面はもはや再現的描写から自律したものとして操られており、絵画スタイルを確立した40年代以降の作風をよくうかがわせる。人物画主体の彼の作品において静物画はそれほど多くなく、貴重な作例といえる。(NT)
作品詳細
作品名 | レモンのある静物 |
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作者名 | ジョージ・キート |
制作年 | 1946年 |
材質/技法 | 油彩・画布 |
サイズ | 86.5×50.0 cm |