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作品リスト
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韓国
▼平面
作品 20-V-74
キム・ファンギ(金煥基)
■制作年 1974
■材質/技法 油彩・画布
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
264.5×167.8×-
韓国のように、東洋的な感性と欧米モダニズムとを高度に融合させた独自の抽象絵画を生み出した地域は、全アジアでもまれである。その中でも、このキム・ファンギは、1930年代には先駆的な幾何学的抽象を制作し、1970年代まで、一貫して純化された抽象形態を求めた重要作家である。彼は日本に留学しヨーロッパのモダニズムを学んだが、のちに梅や壺など伝統絵画のモチーフを用いて、叙情的かつ造形的緊張感の高い画風を確立した。しかし彼はそこに安住することなく、パリやニューヨークで新境地を開拓し続けた。この「全面点画」といわれる手法による最晩年の作品では、ふぞろいの色の点が画面に心地よいリズムを作りだし、点の余白でできた直線が画面の縁を越えて広がっていく。この画家が最後に到達した、宇宙的ともいえる豊かな空間がここにある。
水滴
キム・チャンギョル(金昌烈)
■制作年 1977
■材質/技法 油彩・画布
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
150.1×150.1×-
まるで今にも指でさわれそうな精緻な立体感をもって水滴を描く画家として知られるキム・チャンギョルは、1973年にその基本手法を確立してから、水滴とその影、浸み、したたりを描き続け、近年には立体作品によって、驚くべき執拗さで水滴の表現を続けている。その執拗さを支えるのは、自己表現の意志を放棄して単純な作業の中で自然との一体化を求める、韓国抽象絵画特有の求道者的な精神である。よく見れば水滴には本来映るはずの外界が映っていない。また、素材色のリネン(亜麻布)が使われているものの、水滴は浸みになることもしたたり落ちることもなく、永遠に画布にとどまる。すなわち描写と素材において目だまし的リアリズムを用いながらも、ここにあるのは、万物が透明になり、はかない極小の水滴の中に世界が無化される、非現実の世界なのである。
▼立体
族譜
ユン・ソンナム(尹錫男)
■制作年 1993
■材質/技法 アクリル・木、ゼロックスコピー
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
320×279.4×97.5
韓国は1990年代になってから強力な女性作家を多く生み出している。その中でもこの作家は、家父長制への攻撃をむき出しにしたり図式的にフェミニズム理論を適用することなく、一見無造作な素材や空間の扱いの中に、ごく自然に女性がおかれている不平等な立場を考えさせる。ここでも、伝統的民画のような素朴な描法と木の素材感が私たちを韓国の伝統的な生活世界に誘う。実は、背景にある「族譜」とは、朝鮮半島に伝わる祖先崇拝に基づく家系記録であり、一族の社会的権威づけのために作られているものだが、そこでは父系血縁関係が重視され、女性の個人名は記されない。作者はここで、若い妻と、家父長制の苦しみを背負って縊死した老婆を対比し、現代韓国社会で今もなお女性を拘束する「伝統」への郷愁を反省させている。
チョー・ドキョン(曹徳鉉)
■制作年 1994
■材質/技法 木炭、コンテ・画布、骨董品の箱、ガラスほか
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
210×210×210
チョー・ドキョンは、古い人物写真から拡大した素描を、黒い箱状の構造の中に組み入れて、あたかも古いトランクを開けるように韓国近現代史の知られざる一面を明らかにする作家である。この作品で使われた二つの写真の一つは、作家がブラジルで出会った日系移民から聞いた話に基づくもので、恋人が戦死したために狂死した日本の少女の写真である。もう一つは、日本が韓国を植民地化していた時代に、日本兵として徴兵され終戦後に戦犯として処刑された韓国の若者の写真である。埃だらけの物置のような空間の中で、ゆっくりと照明が中を照らしたかと思うと、またゆっくり消えていく。すると奥に置かれたガラスが鏡状になって見る人の姿を映し出す。戦争や植民地化の無名の犠牲者たちと向き合うのは、今を生きる私たちなのである。
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