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作品リスト
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インド
▼平面
子鹿
ジャミニ・ロイ
■制作年 不詳
■材質/技法 グアッシュ・厚紙
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
43×30.4×-
1900年代初期、インドの独立運動に呼応し、独自の美術を志向した「ベンガル派」というグループがあった。彼らは西洋アカデミズムに対抗し、ヨーロッパの前衛美術や日本画の技術を取り入れるなど、様々な実験を行った。アカデミックな西洋画を学んだジャミニ・ロイは、彼らの影響を受けながらも、1925年頃から独自の路線を歩み始める。それは故郷ベンガル地方の民俗美術に根ざしたものだった。カーリガート寺院の前で売られている素朴な民衆画の様式を用い、限られた色で、対象を大胆に簡略化して描くようになったのだ。『子鹿』に顕著なように、その作品はデザイン的で、かつ愛らしく新鮮な魅力にあふれ、1940年代にすでに人気を博したという。このインド固有の民衆美術に立ち帰るというジャミニ・ロイの姿勢は、後の多くの作家たちに継承された。
クンダリーニ
サイド・ハイデル・ラザ
■制作年 1995
■材質/技法 アクリル・画布
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
150×150×-
サイード・ハイダル・ラザは、インドが独立した1947年にF.N.スーザやM.F.フセインらとボンベイで「進歩的美術家グループ」を創立し、後にパリに渡る。フォーヴィスムや抽象を試みた後、自らの内なるヒンドゥー文化を再発見し、黒の円による「ビンドゥ」のシリーズで独自の作風を確立した。「ビンドゥ」とは生命の種子であり、ラザ作品では目に見える世界の根源となる形である。題名の「クンダリーニ」とは、人間の脊柱下部でとぐろを巻いているエネルギーの意で、それは修行によって体内を上昇し悟りへと達する。上の方が明るくなっている背景は、円の上昇運動を暗示する。また遠目には黒い固まりに見える円は、実は細かい筆触の積み重ねであり、黒の間に様々な色もすけて見え、静的な黒い円に秘められた生成への潜在力を示している。
体系的神話:死刑宣告
スレンドラン・ナヤル
■制作年 1995-96
■材質/技法 アクリル、油彩・画布
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
239.7×178.1×-
暗緑色を背景に、顔の見えない胴体にたくさんの穴が空いている。穴からは様々な物体がのぞくが、それらは髑髏やカラスや武器など不吉なものばかりである。暴力や恐怖を暗示しながらも、画面は静謐で美しい。この作品はスレンドラン・ナヤルがここ数年制作し続けている「体系的神話」シリーズの1点である。作家の出身地であるインド南西部のケーララ州は政治活動がもっとも活発な地域であるというが、このシリーズに共通して潜む政治的なほのめかしもそこに端を発するのだろうか。それにより歴史や神話、伝統、セクシュアリティ、宗教、言語といった我々を取り巻くあらゆることに対しての懐疑の念が生じ始める。自由であるはずの身体さえ、すでに侵略を受け、自らのものではなくなっているのだ。
クリシュナと牛
ボーワ・デーヴィー
■制作年 1996-97
■材質/技法 墨、顔料・コンクリート疑似壁
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
178.5×359.7×-
インド東北部のミティラー地方には、家庭における祭事の際に、女性たちが家の壁や柱、床に絵を描く習慣がある。吉祥模様、ヒンドゥー叙事詩の物語、この地方独特の神話や神々、精霊たち。女性たちは、様々な機会に絵を描き、祈る。その祈りの図像は、祖母から母へ、母から娘へと何千年も受け継がれてきたという。女性たちの自立のために、この民俗画を紙に描くよう政府が指導したことによって、この民衆の祈りの絵が「芸術」として国際舞台に登場し、とりわけボーワ・デーヴィーは世界の注目を集めることになった。この絵はヴィシュヌ神の化身、牛飼いのクリシュナを描いたもの。この定番の画題を、作者は自分の世界に変えてしまう。なんと大胆で自由な、楽しいかたちだろう。そして、なんと優しい、豊かな色彩の歌だろうか。
▼立体
見張る守護神-4
ドゥルーヴ・ミストリー
■制作年 1985
■材質/技法 着彩・石膏
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
126×64×114
インド出身で英国に留学したドゥルーヴ・ミストリーは、卒業後も英国にとどまり、大英博物館などでインドを始めアッシリアやエジプト、ギリシャなどの古代美術を研究しながら、様々な文化の底に流れる普遍的な形態を探求した。その結果、80年代のドゥルーヴ・ミストリーは、古代の物語の中の半獣半人の神々のような、神秘的な生き物を次々に生み出して、英国現代彫刻の中でも注目の存在となった。この「見張る守護神」の連作は、もともと、西を守るこの「水の守護神」の他、東の「戦争の守護神」、北の「宝物の守護神」、南の「死の守護神」の4体からなる。毒々しくなまめかしい水棲の肢体。永遠を見つめるように見開かれた眼。その神秘的な官能性は、この守護神がインドからやってきたことを示している。
胸を持ち上げる女
ラヴィンダル・レッディ
■制作年 1998
■材質/技法 ペンキ、金箔・ポリエステル樹脂ファイバーグラス、木
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
175×100.4×99.8
ラヴィンダル・レッディの人物像は、その大きく見開いた目で見る者を射すくめ、戸惑わせる。金箔貼りの肌は伝統的な神仏像を想起させるが、たるんだ体つきや爪や目の際など細部に使用されている赤色など悪趣味な要素が目に付く。バローダラーで彫刻を学んだラヴィンダル・レッディは、大方のインド人作家の例にもれず、イギリスに留学しその技術を磨いた。80年代後半に帰国し、女性の単身像や頭部像、愛し合う男女の像などの人物像を、洗練とは対極の表現で制作する。神聖さと猥雑さ。「インド的」なものの紋切り型ともいえるこの要素を、あえて全面に押しだしたその彫刻は挑発的だ。近年、その作品は巨大化する傾向にあり、迫力は増す一方である。本作品は、両手で乳房を抱えたポーズで、より一層挑戦的に、私たちが親しんできた「美しさ」とは何かを問うている。
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