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作品リスト
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インドネシア
▼平面
しらみ獲りと垢すり
ヘンドラ・グナワン
■制作年 1950頃
■材質/技法 油彩・画布
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
119.5×64.8×-
ここでいう垢すりとは、インドネシアに伝わるクロックという民間療法のことである。背中に油を塗り硬貨で擦ると、悪い風(風邪)を体から追い出すと信じられている。中央の女性の背中には、その跡がミミズ腫れのように残っている。1945年に始まったオランダとの独立戦争では、ヘンドラ・グナワンも独立軍の一員として戦った。同時に、反オランダのポスター制作や、美術集団「人民画家」の結成などの美術活動も活発に行った。本作品は、戦後、ジョクジャカルタの美術学院で教えていた頃に描かれた。水面のようにたゆたう画面の曲線的なリズムが、青緑と桃色を多用した非現実的な色彩とあいまって、女性たちの日常のひとときが永遠に続くかのように感じられる。作者は身繕いをする女性や物売りなど、インドネシアの風俗を生涯にわたって描き続けた。
バリの祭式
ワヤン・ベンディ
■制作年 1985
■材質/技法 アクリル・紙
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
56.8×92.3×-
ヒンドゥー教的世界観が日常生活を彩るインドネシアのバリ島では、一年を通じて様々な祭りが行われる。この作品に描写されているのは、活気に溢れるそうした祭りの情景である。ここでは、空はかろうじて見えるくらいで、人の波が地面を覆い尽くしている。一見しただけでは、どこに道があり、どこが寺院なのかもわからない。空間を埋め尽くす細密な描写と非合理的な空間構成をもつバリ特有の絵画様式が、この作品には脈々と受け継がれている。しかし、ここにはバリの絵画にしばしば登場する魔霊たちの姿はもう見られない。かわりに、サングラスを掛け、カメラを持った観光客が、島のあちらこちらに姿を見せる。その他、電柱や車、飛行機なども登場するこの作品には、世界の観光地と化した現代のバリ風景が映しだされる。
バッド・マン(悪党)
ヘリ・ドノ
■制作年 1991
■材質/技法 ファイバーグラス、回路、コインほか
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
-×-×-
古い歴史をもつジョクジャカルタで学生時代を過ごしたヘリ・ドノは、ワヤン・クリッ(影絵芝居)という伝統芸能を学ぶなど、この時期、貪欲にインドネシアの伝統文化を吸収していくが、彼の作品世界には伝統だけでは説明できない多様な源泉があるようだ。『バッド・マン』と題されたこの作品では、電子回路を内蔵した人形が一列に天井から吊るされている。それはどこかワヤンの人形をも想起させるが、より直接的には漫画の登場人物やコンピューター・ゲームに着想を得ている。高層ビルから墜ちても絶対死なない正義のヒーローたち。彼らは「敵はやっつけられるべきだ」という絶対的な法則に従い、確実に敵を葬り去っていく。人形のかわいい姿とは裏腹に、この作品はそうした大衆の肥大化した夢や残忍な攻撃性を感じさせる。
ワニと友だち
イ・デワ・プトゥ・モコ
■制作年 1992
■材質/技法 アクリル・画布
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
60×88.1×-
バリ島は、イスラム教の国インドネシアにあって、唯一ヒンドゥー教の島であり、独特の伝統芸能が栄える場所である。美術の領域でも1930年代に西欧からきた美術家たちの影響を受けて、それまでの宗教画を脱し、バリの日常にひそむ魔霊や怪物の跳梁する魅力的な絵画を生み出した。それから半世紀が過ぎて、イ・デワ・プトゥ・モコがバリ絵画の新たな世界を作り出す。彼は、日常のたわいない情景を、ユーモラスに、ときにエロチックに、彼独自の視点から描き出す。ありふれた光景が、彼の手にかかると、ふしぎな生き物の気配を漂わせ始める。この絵は、作者によれば、テレビで見たワニをペットにする少女の映像を忠実に描いたものであるという。彼の絵筆は、いつも日常のひとこまを描きながら、わたしたちを、あるはずのない場所に運んでいく。
キンタマニ市場2
チューシン・スティアディカラ
■制作年 1996-99
■材質/技法 油彩・画布
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
245×600.9×-
インドネシアのバンドゥンで絵を学んだチューシン・スティアディカラは、1987年以来バリ島に住んで、その独特の風物を写実的に描いてきた。彼は、バリの古い市場であるキンタマニ市場が近代的なスーパーマーケットに生まれ変わることを知り、この5年余り、その写真を撮り、その写真をもとに絵を描いてきた。この大作は、古い市場が壊され、新しい市場が出現した後で、古い市場の人々にインタビューし、記憶を甦らせる市場の名残を撮影し、それを元に、彼が再構成した記憶の映像なのである。失われた共同体の記憶、かつてそこに在った人々の交わり。SF映画の映像が重なり合って、絵の中の人々は、きたるべきものを待っているようにも見える。
▼立体
泣く女神
グレゴリウス・シッダルタ
■制作年 1977
■材質/技法 アクリル・木、皮、ほか
■サイズ
(高さ×幅×奥行)
233×77×41
グレゴリウス・シッダルタは、早くから絵画でのキュビスム的な表現を実践し、バンドゥンでの抽象美術への動きを担い、近代彫刻の開拓者の一人としても知られる。しかしその一方で、インドネシア固有の民族的伝統を参照した絵画・彫刻を制作した。彼は1970年代に入って自国の伝統美術の研究を始め、欧米の美術や大衆音楽の流入により伝統が死につつあると感じた。この作品では女神が伝統の死を嘆いており、下方の図案化された炎は外国からの影響を示すという。手のジェスチャーは胸の痛みを示している。顔と胴には伝統的な人形のような平面的・装飾的な様式を用いつつ、写実的な腕に本物の女性の髪を使うという様式的な混合が行われているのは、この作家が持つ二面性の現れとして興味深い。
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